武満徹作曲賞について

25日に武満徹作曲賞を見てきました。
スティーヴ・ライヒが審査員ということで
何時もはオーケストラ形式に対応する曲なのですが
今回はアンサンブル形式で、マイクによる音の増幅、
電子楽器の使用もOKということでした。

これにはライヒ自身が自分の曲にも
マイクを使っていたり電子楽器を使うこともあり、
今の時代には今の時代のオーケストレーションの考えが
あるのではないかとのことでこのような形態になったとか。

来年からは普通にマイクの増幅やら電子楽器はなしで
オーケストラ形式にもどると。
来年の審査員はヘルムート・ラッヘンマンだって。
残念ながら知りません、
のでアマゾンで購入しました。
早く届いてけれ。

それはそうと会場のオペラシティにつくと、
ちょっと用事があったため
二番目の人の曲の途中。

途中入場なのでホールには入れず終わるまでロビーでモニターみる。
トーマス・バレイロさんというメキシコ出身の方。
モニターからも少し音は聴こえてくるけど
小さめなのであまりよく聴こえず。
今回の審査員ライヒと、賞の元である武満に敬意を表して
作曲した、とあるとおり、二人の影響が強いのかな~と思いました。
にじんだぼやけたような音は武満的だったし
グランドピアノを二台くっつけて配置するのは
ライヒのセッティングと同じだし。
パンフを読むとそもそも
ライヒ、武満、ドビュッシー、レオ・ブローウェル、
メキシコ民謡の旋律が引用されているとか。
ある意味ではトーマスさんの個人音楽史的な音楽なのかも。

演奏終わって、
ホールに入る。
お、予想通り小○先生がいらっしゃる。
まぁそれはおいておいて。

次は松本祐一(祐一の祐のへんは示です)
さんで、アンケート・アートを用いた作品。
広島・長崎の原爆投下についてどう思いますか?
という質問文(曲名でもある)に対する答えを
集計して、
それを品詞分解・・
名詞、動詞、連体詞などなどにわけ
それらに音をあてはめる、
音の長さを単語の長さで規定する、
という、なかなかシステマティックな曲。

また質問に対する答え自体も音声で演奏中に示される。
なのでどの質問に対してどういう音楽が作られるかというのは
聴きながらでもわかるようになっている。

またスピーカーが両脇に二台設置しており
左から日本語による音声の再生、
右からはそれを英語に翻訳した音声の再生がおこなわれる。

アンサンブルも左と右でわけ、
左は日本語の品詞分解の音楽と
右からは英語の品詞分解の音楽が流れる。

日本語と英語では品詞の順番も、
単語の長さもかわるので
両者の演奏には差がでることになる。
考え方の違いを表す差異の音楽でもある。

ライヒとは違う方法での差異へのアプローチ、
なんて考えることもできてなかなか面白く
武満徹作曲賞はこの方でした。

アンケートによっている以上
作曲家のできることは少ないように思われますが
まずどの品詞にどの音をあてはめるか、ということ。
品詞が12個(平均律の半音階から考えると)あるわけではないので
音の取捨選択がなされなければならない。

この点も上手かったのじゃないでしょうか、
非常に聴きやすい、でもつまらないわけじゃない、
良いバランスに保たれたフレーズが聴こえてきました。

また広島・長崎の原爆という重いテーマでありながら
曲調が暗く重々しいもの、というステレオタイプでなかったのも
良かったかな、と。軽視するわけじゃなく、
アンケートそのものは今の時代に行われたもので
実際に現実に体験した、という人が答えているわけではないだろう、
だからアンケートの答えはある意味冷めていて、
と同時に時が経ったからこそ考えられて言えることもあるように思われた。あ、で実際の曲調がどうだったかというと
こう疑問符が似合いそうな、考えていかなければならないな~という
ように思われる曲調。音感が特に良いわけではないので
何々スケール、何調とかわかりませんえん。

あとなるほどと思ったのが
曲の始めに
音声で「連体詞」、と言ったら
ロングトーンでそれにどの音をあてはめているのか
こちらに教えてくれた、
提示部があった、ということ。

こういうのは作曲(主にクラシカルな方の)
をやっている人ならではの発想なんだろうなと。
即興に提示部なんて考え方はないのはあたりまえですが(笑)

とにかく原爆というテーマそのものはありがちではあるのだけれど(つかっときゃ外国にイメージ与えやすいだろみたいな)、
でもわかりやすく楽曲が作られていて、
非常に聴きやすくて
コンセプトに向かって磨いてあって、
結局客観的になって聴く人のことを考えている、
というのが決めてになったんじゃないかなと。

最後の曲の
中谷さんのは
パンフの文章そのものがわかりにくいものだったので
危惧していたのですが聴いてもやはりあまりよくわからなかった。
おそらく弦上のハーモニクスの比率を24時間サイズに見立て
弦をタイムラインに進んでいくみたいな曲なのかなぁ
と思ったけどちょっと違うみたい。
使う楽器はすべてハーモニクス音使うよう。
チューニングがピアノや
オーボエのA音ではなく
機械の電子音によってかなり各楽器毎に
細かくチューニングしていた。
平均律ではなく純正律なのかな。

なにぶん普段とのチューニングの難しさもあってか
結構演奏には難儀していたような、それとも作曲段階での
まだ足りないものがあったか、どことなく中途半端な印象を受けた。
多分新しい音使いをしたからこう一般人には良くなく
聴こえる音が鳴った、聴者がついていけなかった、
とはまた違う気がしました(いや、個人の意見だからわからないんだけど)
ハーモニクスということでエレキギターも
使用したのだけれどどうしても生楽器とアンプのエレキの音
は溶け込まず違和感があった。エレキギターのパートはなしでも
良かったかもしれない。逆に松本さんの方の曲は機械の音声と
生楽器は逆に異物感が強くて良かった。

とはいえこの方かなりお若いですし、
ライブハウスとかで演奏してたり
オーケストラやらアンサンブルなどに自分の曲を演奏
してもらい聴いてもらうことはなかなかなかったそう。
(プロフィールみても音大生でもないみたいだし)
それで今回ファイナリストにも選ばれて、というのは
かなり凄いことなんじゃないかと。
今後今までになかった面白い楽曲を作り出すのじゃなかろうか~、と。

今回のはNHKのラジオ「現代の音楽」でやるらしいです。
確か7月とか6月あたりか・・。
最初の人の曲も聴けなかったし、
また聴けば何か違ったものがみえてくるかも。
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by eugene_photo | 2008-05-28 23:08 | 雑記


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